dxf(dwg)への変換 ~CloudCompareの応用・活用~

CloudCompareについて

CloudCompareの活用

 基本操作に続き、CloudCompareの活用について紹介していきます。こちらでは格子データの作成方法や横断データの抽出方法など、実務に活用できる機能を図を入れて具体的に紹介しています。
 CloudCompareの概要や基本操作についてはCloudCompareの使い方で紹介しているので、まだご覧になってない方は、是非そちらも参考にしてみてください。

紹介する操作

 こちらでは応用及び活用について紹介していきます。基本的な使い方の方をご覧になりたい方は下記のリンクからでも移動できます。
 【基本的な使い方】
 ①ファイルの読み込み
 ②カラーの変更(段彩設定)
 ③単純なメッシュの構築
 ④メッシュの構築(ポアソン表面再構成)
 
 【応用および活用】
 ⑤値の抽出
 ⑥点群データの間引き(サンプリング)
 ⑦格子データ・等高線データの作成(ラスタライズ)
 ⑧任意形状での切り取り・マスキング
 ⑨断面図の作成

具体的な使用方法

 ドローンの空撮画像からSfM解析で作成したサンプルデータを用いて使用方法を説明していきます。サンプルデータは以下のリンクからダウンロード出来るようにしてあるので、どうぞご活用ください。

 
≪サンプルデータのダウンロードはこちら≫

値の抽出

 CloudCompareでは点情報の出力方法として「任意点の位置情報抽出」「2点情報及びその距離」「3点情報及びその面積」「リスト形式での点情報出力」「ポリライン上の点情報出力」といったことが可能です。
 操作としては「Tools」→「Point Picking」で「任意点の位置情報抽出」「2点情報及びその距離」「3点情報及びその面積」、「Point list Picking」で「リスト形式での点情報出力」、「Trace Polyline」で「ポリライン上の点情報出力」が実施できる。
 どの抽出方法でも選択後に抽出用のツールバーが表示され、「Point Picking」ではクリックすることでモデル上に情報が表示されます。
 「Point list Picking」ではモデル上にポイントが表示され、ツールバーにXYZ座標が追加されていきます。
 「Trace Polyline」ではモデル上で線形をクリックしていき、右クリックで確定させます。その後に抽出条件(OverSample)を設定し、チェックマークをクリックする。するとポリライン上の点が抽出され、新しいオブジェクト(Polyline)としてDB Treeに追加される。OverSampleの設定は間引きのような設定なので、ポリライン上の点を細かく抽出したい場合は100を設定して抽出すると良い。またDBTreeに追加されたポリラインをDXFで保存すれば断面図として活用することもできます。ただこの方法はポリライン近傍の点を抽出しているため、厳密な断面図とは異なる。断面図の作成については後に「Extract Sections」という機能でも紹介するため、そちらも参考にして欲しい。

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点群データの間引き(サンプリング)

 点群データはデータ量が大きくなりやすいため、なるべく精度を保ったまま間引くことも重要になる。ここではCloudCompareにある間引き方法について説明する。
 操作としては「Edit」→「SubSample」で実施する。間引きの方法は空間距離やランダム、八分木(Octree)において値を設定して間引きを行う。間引きと紹介しているが機能としてはサンプリングという機能で、任意条件で点を抽出コピーする機能になるため、元の点群データはそのまま保持される。
 例として空間距離を挙げると、methodで「Space」を選択し、「min.space between points(ポイント間の最小距離)」を設定して実行すれば、間引いた点群データが抽出される。

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格子データ・等高線データの作成(ラスタライズ)

 点群データをその後の設計、施工、解析などに利用する際に格子データや等高線データに変換して活用することが考えられる。
 ここではCloudCompareで可能な格子データ・等高線データの作成について説明する。
 操作としては「Tools」→「Projection」→「Rasterize」で実施する。
 「Rasterize」を実行すると新しいウィンドウが開き、ここで格子や等高線の条件を設定し作成する。
 格子データは「Grid」の箇所のstepを設定し、描画する項目を「Projection」で選択して、上部の「Update grid」をクリックすれば格子データが描画される。stepの右の「Edit grid」を押せば基準位置なども設定できる。
 等高線データは格子データを作成した後に左側下段にあるタブより「Contour plot」を選択する。ここで作成する等高線間隔などを設定し「Generate」を押せば等高線データが作成され、作成後に「Export」を押せば保存が可能である。
 またタブのExportは格子データの出力となっており、RasterやImage、Matrixといった形式を指定して出力することが可能となっている。

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任意形状での切り取り・マスキング

 「点群データの間引き(サンプリング)」で触れたように点群データを活用する上では、不要なデータを取り除くことはとても重要です。ここでは単純な間引きではなく、任意形状で点群データを切り取る(マスキングする)方法を説明する。
 操作としては「Edit」→「Segment」で実施する。「Segment」をクリックするとツールバーが表示され、選択方法としてポリラインによる選択か長方形または多角形選択かを選ぶ。
 ポリランによる選択の場合は、DB上にポリラインが必要で、ポリラインがあれば、それを読み込んで切り取り(マスキング)することができる。
 長方形または多角形の選択は、モデル上でクリックして選択範囲を指定し切り取り(マスキング)を実行する。
 このときの切り取り(マスキング)処理では元の点群データは保持されないが、切り抜いたものを残すか否かの設定は可能である。

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断面図の作成

 「値の抽出」でポリライン近傍の値を抽出する方法を説明しているが、ここではポリライン上、またはポリラインの横断方向の断面図作成について説明する。この機能では点の値を抽出するのではなく断面を作成する位置で値を内挿しているため、正しい断面図を作成することができる。
 操作としては「Tools」→「Segmentation」→「Extract Sections」により実施する。「Extract Sections」を押すと、ツールバーが表示され線形ポリラインを作成する状態になる。この状態でモデル上をクリックして線形ポリラインを作成するか、またはツールバーの「Create Polyline ~」を押すことでポリライン作成をキャンセルして、DB上のポリラインを選択することで線形を設定する。
 指定した線形で断面を作成したい場合はこのままで良いが、指定した線形に対して横断方向の断面を作成する場合はツールバーの「Generate orthogonal ~」を押すと、横断作成間隔や作成幅を入力窓が表示されるので、任意の値を指定して横断作成に変更する。
 断面を作成する線形を設定し終えたら、ツールバーの「Extract points along~」を押す。これにより周囲の点群データを基に指定した位置で断面図が作成される。
 作成後は保存ボタンを押すか、チェックマークで断面作成を終える際に保存を選択すればDBに作成した断面図が保存される。
 作成した断面図はもちろんDXFなどで保存することが可能なため、設計や施工などで必要となる数量計算時に非常に便利に活用ができる。

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